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つくり方

鍛金(たんきん)

1.生し(なまし)
地金を加熱して柔らかくする生し(なまし)によって、加工しやすくします。

2.けがき
寸法を割り出し、コンパスを使ってけがきします。

3.地金取り
円形のものを作る場合は、銀板をハサミで切り取ります。

4.打ち起こし
当て台の窪みに銀板を当て、木槌で少しずつ打ち込んで皿状にしていきます。

5.鎚絞り(つちしぼり) 次に金槌と当て金を使って成形する鎚絞り(つちしぼり)を行います。段階的にいくつも道具を変えていくので、金槌や当て金は大きさや形の違うものを数十種類使い分けます。地金は冷えると固くなるので、ガスバーナーで生して打ち続け、生しと打ち込みを繰り返しながら地金を絞り込んでいきます。

6.模様打ち
形が整った段階で模様を打ち込みます。東京銀器には多数の模様があり、それらはすべて職人の手づくりです。使用される道具もすべて手づくりなので、同じ模様でも職人によって味わいが変わってきます。

鍛金(たんきん)の作業【動画】

ぐい呑みに市松模様を打ち付ける作業の様子です。
金槌で打ち込んだ部分は銀白色に輝き、残す部分との対比で全体に市松紋様が浮き出てきます。

提供:銀泉いづみけん

彫金(ちょうきん)

1.雁皮紙(がんぴし)に図柄を写し取り、本体に貼り付けます。ここで、鏨(たがね)を打ち込みやすいように、本体の内側にヤニをを入れます。

2.針打ち
鏨で彫るときに目安となる印を打つ針打ちを行います。

3.彫り出す模様によって、様々な鏨を使い分けながら模様を本体に刻み込んでいきます。

切嵌(きりばめ)

1.ならし作業
銀板を生し、金床の上で平らにするならし作業を行います。

2.図柄を写し取った雁皮紙を銀板に貼り付け、地金の模様部分を切り抜きます。

3.地金の切り抜いた部分に別の金属を当て、けがきをして切り取ります。

4.繊細な図画にもん金と呼ばれる色のついた金属を慎重に嵌め込んでいきます。

5.銀蝋付け
もん金を嵌め込んだ部分に硼砂(ほうしゃ)を塗り、銀蝋(ぎんろう)付けを行います。余分な部分をやすりで削り、砥石で滑らかにします。

仕上げ

煮込み仕上げ

1.切嵌した本体は、色上げのために粒子の細かい駿河炭などで磨きをかけます。さらに磨き砂と重曹で地金の肌を出します。
2.あらし打ち
金あらしを繰り返しかけることで、生地の艶を消して渋さを出す、あらし打ちを行います。
3.煮込み色付け
色むらを防ぐために、重曹や角砂で手入れをしたものを梅酢に浸けて酸化被膜を除去し、大根おろしの汁に浸します。その後、水に硫酸銅と緑青を溶かした煮汁に浸けて色つけした後、入念に水洗いして仕上げます。

金古美(きんふるび)仕上げ

1.磨き砂や重曹で油気を除去し、生地の手入れをして地金の肌を出します。
2.粗い金剛砂(こんごうしゃ)のあらしをかけ、さらに金あらしをかけます。
3.金古美(きんふるび)液ををしみ込ませた綿で地金を塗布し、天日に当てて感光させます。
4.黒ずんだ銀の地肌を角粉や重曹で手入れします。細部の濃淡を表現しながら、全体の調子を見つつ仕上げます。

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