日本の伝統工芸品 総合サイト

東京銀器TOP >インタビュー

インタビュー

泉 健一郎様

〈プロフィール〉

泉 健一郎 Kenichiro Izumi

昭和29年 横浜生まれ。
昭和51年 文化学院卒業。
昭和52年~53年 日本国内行脚の旅に出る。
昭和54年 株式会社白金入社。
平成5年 株式会社白金退社。イタリア・北欧視から帰国後に開業。
平成7年 伝統工芸士に認定される。
平成17年 浅草に工房店舗教室『銀泉いづみけん』設立。

文化学院金工非常勤講師12年勤務
日本彫金会会員
東京銀器工業協同組合理事

インタビュー【動画】

Q.このお仕事を始められた経緯を教えていただけますか?

泉氏:学生時代から絵が好きで、デザイン系の学校を出ましたが、卒業後に自分を見つめ直す時間が欲しくて、東海道五十三次を絵を描きながら、歩いて1年間旅をしました。
その経験で改めて命の尊さに気づき、先祖から受け継いだ何かを世の中に還元することが仕事の意義ではないかと思い至ったのです。
縁あって金属工芸の会社に就職でき、14年間勤めました。その後紆余曲折はありましたが、12年前にこの工房兼店舗を構え今日に至ります。

Q.東京銀器の最大の魅力を教えていただけますか?

泉氏:まず、銀という素材が素直ですね。溶接するのは少し難しいんですが、基本的に加工しやすいです。
他のどの金属よりも熱伝導率が高いので、手に持った時に温かみを感じます。また、他のどの金属よりも光をよく反射するので、色を持たないんです。そして、金やプラチナと違って、経年変化が楽しめるのも魅力です。私は銀がたまらなく好きなんです。

Q.日本の子供たちに向けて何かメッセージをいただけますか?

泉氏:修学旅行で体験に来てくれる小中学生の皆さんにはよくお話するんですが、あまり学校の成績をよくすることにこだわり過ぎない方がいいですよね。金やプラチナは確かに希少で高価ですが、鉄がないと金やプラチナを加工することができません。アルミがないと飛行機も飛びません。鉄には鉄の良さがあり、アルミにはアルミの良さがあります。
人も同じで、スポーツが得意な人がいれば、音楽が好きな人もいます。人には必ず何か取り柄があるはずなんです。ですから、あまり成績ばかりこだわらずに、好きなことを探すことを第一に考えて欲しいです。将来、その好きなことが仕事にできれば本当に素敵ですよね。そんなことを伝えたいですね。

ページの先頭へ戻る